9784784215027
中世京都の空間構造と礼節体系
桃崎 有一郎【著】
2010
思文閣出版
中世日本の身分秩序を整序する固有の機能を与えられ維持されてきた京都に着目し、礼節上の行為をはじめとする人々の振る舞いを規定したルールの淵源や展開を明らかにする。そのうえで、天皇・上皇や室町殿等が拠って立つ中世社会最上部の構造を展望する。内容は以下の通り。 中世公家社会における路頭礼秩序―成立・沿革・所作―、中世武家社会の路頭礼・乗物と公武の身分秩序、中世洛中における街路通行者と第宅居住者の礼節的関係―門前・第宅四面と広義の路頭礼―、中世里内裏の空間構造と「陣」―「陣」の多義性と「陣中」の範囲―、中世里内裏陣中の構造と空間的性質―公家社会の意識と「宮中」の治安―、中世における朝儀出仕と里内裏周辺空間秩序―陣中・陣家・外直廬と乗車忌避―、陣家出仕の盛行と南北朝・室町期朝儀体系の略儀化―公家社会の経済的窮乏と室町殿義満の朝廷支配―、「裏築地」に見る室町期公家社会の身分秩序―治天・室町殿と名家の消長―、中世後期身分秩序における天皇と上皇・室町殿―身分尺度としての陣中・洛中の分析から―、裏築地の起源・沿革・終焉と中世の里内裏、内裏・院御所・京都論の動向と陣中・裏築地論の論点、結論と展望―室町期的身分制度と天皇・治天・室町殿―。巻末に索引(事項、人名、史料名)を付す。
A5560頁、索引16頁
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