危機をめぐる歴史学—西洋史の事例研究—

山代 宏道【編】

2002

刀水書房

序(山代)、〔危機は存在したのか〕トゥキュディデスの前411年アテナイ政変の記述に見るポリスの危機(堀井健一)、ポリスとコミュニケーション—理想国家論に見るポリス的統合の危機意識(前野弘志)、ある家族崩壊の風景—はたして古代的家族観の危機は存在したか—(豊田浩志)、アウグスティヌス『神の国』にみる危機意識(水田英実)、ナポレオン支配期ベルク大公国官僚群の危機認識—隷農制廃止をめぐって—(岡本明)、〔危機意識と危機の叙述〕海の覇者アテナイの危機と軍船乗組員—トゥキュディデスの戦力観を手がかりに—(宮地啓介)、デモステネスとイソクラテスの叙述における傭兵とポリスの危機(小河浩)、ルイ六世治下における王権の危機とサン=ドニ修道院(小崎閏一)、中世イタリア都市国家形成期の歴史叙述と危機の諸相—キュウビック・フォームによる研究試論(佐藤眞典)、イギリス革命初期における民衆の政治化と国王・議会の危機意識—ホワイトロック『メモリアルズ』にみる革命的危機—(友田卓爾)、〔危機克服から危機管理へ〕ノルマン征服をめぐる「危機」の諸相—歴史叙述と危機管理—(山代)、ウィリアム一世治世初期における貴族反乱と危機(宮城徹)、13世紀都市ラ・ロシェルの政治的危機と経済的危機(大宅明美)、15世紀後半期イングランドにおける宮内府改革とその意義—政治的危機克服の試み(井内太郎)、「ユダヤ人」とされた人々の危機意識—第三帝国下(1933—39)の「非アーリア人」キリスト教徒のアイデンティティ危機(長田浩彰)、執筆者紹介。

A5判315頁

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第一部[総覧]1-8.歴史一般

1 General History 1-8. History in General