00229741
経済志林
Keizai-Shirin ; The Hosei University Economic Review
法政大学経済学会
The Keizai-Gakkai, Hosei University
2013
80(3)
志賀直哉と夏目漱石は西洋思想をどのように内化したのか(序論)
How did Naoya SHIGA and Soseki NATSUME Internalize Western Thought?: Introduction
財津 理
ZAITSU, Osamu
志賀直哉と夏目漱石は、西洋思想の内に当たって、単にそれを知り身につけるにとどまるものではなかった。もちろん、ここで言う内化とは、精神分析学でいうそれとは異なる。ここでの意味は、彼らがこうした思想を身につける過程の深化とともに自らの思想として受け入れるほどに彼らの中に浸透していったとはいえ、二人が西洋思想を対象化したことを指している。本稿の課題は、この二人の作家の西洋思想の内化および対象化の諸側面についての序論的素描を提供することである。「対象化する」とは、志賀の場合には「超克する」ということを、漱石の場合は「問題という形で展開する」ということを意味する。
日本語 / Japanese
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