02880180
立命館経済学
The Ritsumeikan Economic Review
立命館大学経済学会
The Ritsumaikan University Economic Society
2010
59(2)
1930年代の大不況とケインズ―1930～32年の時期を中心に―
The Great Slump of the 1930s and Keyens
松川 周二
MATSUKAWA, S
Ⅲ部で構成されている研究ノートである。第Ⅰ部では、1929年10月のウォール街での株価大暴落直前のアメリカとヨーロッパの金融政策などについて述べ、株価大暴落後にThe New York Evening Post紙に寄せたケインズの小論である｢A British View of the Wall Street Slump｣の全訳を掲載している。さらに、The Nation and Athenaeum紙に発表したケインズの論文｢The Industrial Crisis｣も全訳で紹介し、その論文の内容をめぐるイングランド銀行総裁ノーマンとのやりとりやケインズの具体的な見解について図式を用いて説明している。 第Ⅱ部では、1930年12月、Nation and Athenaeum紙に寄せた論文｢The Great Slump of 1930｣で説明した大不況のメカニズムと不況の悪循環に関して紹介している。また、『Unemployment as a World Problem』の中のケインズが書いた｢An Economic Analysis of Unemployment｣という論文の特徴が要約されている。 第Ⅲ部では、1931年にVanity Faire誌に寄稿した論文｢The Consequenses to the Bank of the Collapse of Money Values｣で力説した銀行恐慌の不安とその恐ろしさについて紹介している。そして、1932年｢The World's Economic Crisis and the Way of Escape｣という論題で行った講演会でのケインズの講演内容を全訳で紹介している。
日本語 / Japanese
第五部［西洋経済史］5-12．政治経済思想
5 European & American Economic History 5-12. Economic, Political & Social Thought
- 第五部 [西洋経済史] 5-8. 貨幣・金融・保険
- 5 European & American Economic History 5-8. Banking, Currency, Finance & Insurance