西洋史学

日本西洋史学会

1973

92

キルクムケリオーネスに関する一考察

新田 一郎

ディオクレティアヌス帝の治下、北アフリカで、ドナティズム運動の中心勢力を担ったキルクムケリオーネス集団の構成社会層が、オリーブ収穫の補助労働者であったことを指摘し、政治運動としては結局ローマという地上国家の領域内での反抗にすぎなかったが、宗教運動としては、終末観に立った強力な反ローマ運動として、教会改革運動の最初の形態であると同時に、北アフリカのローマ世界からの分離をも促す力となっていることを明らかにしている。

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第五部[西洋経済史]5-10.社会組織・社会問題

5 European & American Economic History 5-10. Social Problem, Movement & Organization